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矢巾町(やはばちょう)のスーパーシティ構想解説!

矢巾町スーパーシティ

矢巾町スーパーシティ

岩手県の中心部に位置する矢巾町(やはばちょう)は人口が約2.7万人の街です。盛岡市南部に隣接するベッドタウンとしての開発が進み、地方では珍しく人口増加が進む自治体であります。町内には岩手医科大学及び岩手医科大学附属病院があることが特徴的です。

矢巾町のスーパーシティ構想とは

矢巾町の基本情報

さんさ踊りなどが有名で「さんさ」とつく特産品が数多くあります。さんさは、鬼の退散を喜んだ里人たちが、三ツ石のまわりを「さんささんさ」と踊ったのが”さんさ踊り”の始まりだと言われています。

  • 人口:約2.7万人
  • 面積:約67km²
  • 特産品:さんさジュース・さんさ蕎麦

矢巾町が掲げるスーパーシティ構想のテーマ

人生100年時代を健幸に暮らすフューチャー・デザインタウン

矢巾町のスーパーシティ構想のキャッチコピーは「人生100年時代を健幸に暮らすフューチャー・デザインタウン」です。矢巾町のスーパーシティ構想では住民の健康を重視しています。スーパーシティ構想の推進によって、町を持続的に発展させつつ、住民個人レベルで体・心・社会とのつながりの3つの側面で健康の実現を図り、住民が人生100年時代を健やかに過ごせる社会の構築を目指しています。

矢巾町では下記の3つの課題を設定しており、これらをスーパーシティ構想の推進により解決しようとしています。

矢巾町の3つの課題と解決策

  1. 健康(幸)寿命の延伸と医療扶助費の抑制
  2. ダイバーシティに対応した多層型コミュニティとセーフティネットの再構築
  3. 中心市街地と周辺農村部の格差解消

課題①:健康(幸)寿命の延伸と医療扶助費の抑制

住民が健康で過ごせる期間を長くするとともに、行政の財政健全化を進めていきます。先端技術の導入として、HealthTech(健康テクノロジー)やBI-Tech(行動インサイトテクノロジー・Behavioral Insights × Technology)を駆使して、病気にならないための生活習慣を確立するとともに、病気になったときにもデジタル技術を活用しつつ、診察ができるような社会の実現を目指しています。

矢巾町には岩手医科大学附属病院があり、医療機関が非常に充実しています。その反面、病院などが気軽に利用しやすいこともあり、医療費の増加が町の財政を圧迫しています。そのため、住民の皆さんに日頃から健康への意識を高めることを目指していきます。日頃の健康チェックや、ウェアラブル端末の活用、スマートフォンアプリ、オンライン診療や服薬指導などをデータ連携も含め構築していく構想になっています。

スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する提案書の提出について

課題②:ダイバーシティに対応した多層型コミュニティとセーフティネットの再構築

住民同士の関わり合いを増やして健康で生き生きとして生活を送れる町を作ることを目指しています。近年若い世代や移住者は都市型のライフスタイルを好み、既存の地域コミュニティとの関わりを望まない人が増えており、自治会役員の高齢化や後継者不足の課題があります。この課題をアプリを活用したり、目的型のコミュニティ(健康活動・趣味・見守りなど)の構築により、地域内でセーフティネットの構築を進めようとしています。

スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する提案書の提出について

課題③:中心市街地と周辺農村部の格差解消

矢巾町では都市計画によって、中心市街地と周辺農村部を明確に区分けした街作りを進めてきたが、少子高齢化に伴い周辺農村部では高齢化が進み産業もなくなっており、市街地と比べると大きな格差ができてきているという課題があります。この課題を最先端技術の活用や規制緩和により、解消していくことを目指しています。

矢巾町が提案する主な規制緩和項目

矢巾町のスーパーシティ推進体制

矢巾町では岩手医科大学の小川彰理事長をリードアーキテクトとして、領域ごとにアーキテクトを配置しています。

スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する提案書の提出について

矢巾町のアーキテクト

矢巾町は、アーキテクトを分野ごとに分けています。

ヘルスケア担当

データ連携担当

ポイント配送担当

医薬品担当

総合調整担当

矢巾町の関連事業者・連携事業者

①ヘルスケア分野の連携事業者

②医療分野の連携事業者

③防災・救急分野の連携事業者

④介護分野の連携事業者

⑤移動・配送分野の連携事業者

⑥産業分野の連携事業者

⑦環境・保全分野の連携事業者

⑧行政分野の連携事業者

まとめ

岩手県矢巾町のスーパーシティ構想は住民の健康寿命をできるだけ伸ばすことに主眼が置かれた構想になっています。岩手県下唯一の特定機能病院であり、病床数が1000床の岩手医科大学病院があることにより医療施設は非常に充実しているものの、それにより多くの住民が手軽に医療を受けられることにより、町の財政を圧迫しているという側面があります。多くの住民が病院に行かずに健康に過ごせる期間をできるだけ伸ばすための施策を最新のテクノロジーを使って実現しようとしています。日本の多くの自治体で同じような課題があるため、矢巾町での取り組みに注目です。