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面倒で非効率な行政を変えるGovTech(ガブテック)とは

GovTechとは

GovTechとは

GovTechとは、Government Technology(ガバメントテクノロジー)の略です。読み方はガブテック。Governmentの略なので、ガブテックでもいいのではないかと思いますが、ガブテックと呼称するのが一般的です。

GovTechは、政府や行政におけるIT化、テクノロジー化の取り組みです。役所に行くとみなさんも感じると思いますが、紙で記入し、長時間待たされ、何度も何度も行かないといけなかったりして非効率、極まりないです。特に働いている人からすると、平日の日中しかやっていなかったりして、「そんな時間にいけない」と思うことも多いと思います。

GovTechは、そんな非効率な行政を変えようという動きです。しかし、数年前数十年前から「効率化」が叫ばれていましたが最近になりより活発化しようとしています。

今GovTechが熱い理由

GovTechが今盛り上がりを見せているのは、「スーパーシティ構想」と「デジタル庁設置」が大きいです。

スーパーシティは、各自治体において特別な規制緩和を行うことでこれまで難しかった自動運転の実証実験などを自治体内の裁量で実施するための制度です。スーパーシティでは、行政もテーマになっていて、行政に関する事業案も多く募っています。

supercityとは
【解説】スーパーシティとは?簡単にいうとなに?スーパーシティとは、「AIやビックデータを活用し、社会のあり方を根本から変える未来都市」のことです。 内閣府の解説だと、「地域の「困った」を最新テクノロジーで世界に先駆けて解決する」とあります。日本のスーパーシティを海外に輸出していく狙っていくのではないかとおもわれます。...

デジタル庁は、2021年9月に発足される国の情報システムやデータの利活用の推進に特化した組織です。

日本国全体でデジタル化しようという意識ができています。これまでは、企業や個人ばかりが頑張っていましたが、やはりそれでは少しずつしか変えることができませんでした。今後は、国、企業、個人が一丸となっていくフェーズなので、これまでよりも早くそして質の良いサービスが生まれ、行政における様々な改革が進んでいくと思います。

これまでの自治体システムの課題

自治体は、これまでもシステム自体は導入していました。しかし、非効率な部分が多かったのはなぜでしょうか。

①各自治体ごとに別システムを導入している

自治体はこれまで自治体ごとにシステムを導入していました。自治体ごとにシステムが別だと、自治体を跨ぐ連携ができないため非効率になります。例えば、引っ越しするときに住んでいた地域かへ、転出届を出し、新しい地域に行ったら転入届を出さないといけません。仮に自治体同士が連携していれば、1箇所で転出と転入が済むはずです。もっと言えば、役所まで行かずに自宅から申請することも可能です。

②SIerなどの大企業しか参入の余地がない

自治体のシステムは、主に公募という制度で決まります。簡単に言えば、「こういうシステムを作りたいんだけど誰か作れる人いる?挙手!」という制度です。しかし、実態は誰でも参加可能なわけではなく自治体の入札資格が必要で、かつ大きなシステムになればなるほど実績を積まないといけません。自ずと、大企業でかつ歴史の長い会社に入札が集まりやすくなります。結果、大企業しかおらず競争があまり働かず、似たり寄ったりのシステムでかつ、金額も割高、システムの修正も遅くなり、回り回って我々1個人が損をしています。

GovTechはもちろん、スーパーシティ構想やデジタル庁ではスタートアップや優秀な個人が行政という閉じきった領域で活躍できるチャンスなのです。

GovTechスタートアップ企業一覧

GovTechに取り組んでいるスタートアップを紹介していきます。

株式会社Graffer

Graffer(グラファー)は、行政での手続きをメインにIT化しているスタートアップです。私個人としてよく利用していたのが登記簿謄本の取得です。登記簿謄本は、法人を経営しているとなにかと必要になってきます。オフィスを借りたり、銀行口座を作ったり、取引先に提出したりと頻度が高く必要です。窓口に行けば、カードを挿入して情報を入力し、収入印紙を購入すれば数分で発行されるのですが、役所に行ったりするのがそもそも面倒なのでGrafferを使っていました。Grafferは、法人の情報を登録して、枚数を指定すれば、登録した住所に郵送してくれます。

他にも自治体向けにもサービスを提供しています。

例えば、神戸市スマートナビは、一見すると神戸市のサイトに見えますが、URLは、「https://ttzk.graffer.jp/city-kobe」になっており、Grafferがサイトを作っていることがわかります。

Grafferでは、各自治体に向けのサイトを作成し、サイトから手続き、また手続きにおける必要な情報の提供を行えるようにしています。

xID株式会社

xID株式会社(クロスアイディー)は、マイナンバーによる個人認証に特化した会社です。認証というイメージが付きづらいかもですが、デジタル化したときに課題になるのが個人の証明です。デジタルの世界では偽造することも可能なので個人を証明する必要があります。xIDで個人を証明する方法は、マイナンバーカードを持っているということで証明します。xIDのスマートフォンアプリで、マイナンバーカードにスマートフォンをかざすだけでマイナンバーカードを読み取ってくれます。

私もよく利用していて、xIDではe-signという電子契約アプリもやっています。これが無料なのに便利すぎます。xIDの良いところは、認証が楽なところです。

出典:xID

xIDでは、他の認証アプリと違い番号を選択する方式を取っています。他のアプリだと、表示された番号を時間内に入力しないといけないので、結構大変で面倒です。

小さな違いですが、ユーザー体験が良いアプリなので使っていて気持ちいいです。

まとめ

  • GovTechはスーパーシティ、デジタル庁で益々加速する
  • GrafferやxIDなど使いやすいサービスを提供するスタートアップが増えている

行政が変わっていくと私個人も過ごしやすくなります。いろんな改善がされていくと未来が楽しみです。

ABOUT ME
畠山大世
ITコンサルティングとして、基幹システム刷新のPMO、要件定義、設計に従事。システムをより深く知りたくなり、エンジニアに転向。機械学習エンジニアとして、レコメンド、スコア予測、データ分析などを経験。 その後、フリーランスとして独立し機械学習だけではなくアプリエンジニアとしてフロント、サーバ問わず開発。また、PdMやプリセールスなどビジネス面も担当。
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