技術

スマートシティの設計図!?リファレンスアーキテクチャを解説

スマートシティにおいては、様々なデジタル技術の活用が必要であり、どのように取り組みを進めていくのが良いのか、どのようなシステム構成にすれば良いのかなど、検討事項が多く推進が難しいです。そのため、内閣府はスマートシティを推進する各自治体が参照でき、参考にできるシステムのアーキテクチャ(構築方式・設計図)を公開しています。それをリファレンスアーキテクチャ(参考にできる構築方式・設計図)と呼んでいます。

スマートシティリファレンスアーキテクチャとは!?

スマートシティリファレンスアーキテクチャは内閣府から提供されているスマートシティ構築の際に参考にできるアーキテクチャ(構築方式・設計図)をまとめた資料です。

リファレンスアーキテクチャの対象読者

対象としている読者はスマートシティにこれから主体的に取り組もうとしている組織(自治体の方)としています。ただ、スマートシティの構築は自治体だけではなく、民間事業者も技術やサービス提供、コンサルティングなど様々な形で関わるため、多くの人が理解しておくべき資料となっています。

スマートシティリファレンスアーキテクチャを参照することで、各々の地域の特性にあったスマートシティの設計図(スマートシティアーキテクチャ)を作ることができます。

スマートシティリファレンスアーキテクチャを活用した際の効果

リファレスアーキテクチャは、戦略・政策〜アセットという意味軸、業界や業種の分野軸、時間軸の3次元の構成になっています。

スマートシティリファレンスアーキテクチャとは – 内閣府

内閣府ではスマートシティリファレンスアーキテクチャを活用した際の効果を下記のようにまとめています。

スマートシティをはじめる際の手順がわかる
✓やるべきことのの抜け漏れを防いで、持続的なまちづくりを実現するための仕掛けを備えることができる
✓共通的な指針や言語のもとで行うため、単独の取り組みとなることを防ぐ。そのため、成果の再利用や都市間・分野間の相互運用を実現しやすくなる。

スマートシティリファレンスアーキテクチャとは – 内閣府

スマートシティリファレンスアーキテクチャの4つのコンセプト

スマートシティの概念図
スマートシティリファレンスアーキテクチャとは – 内閣府

1.利用者中心の原則

  • 全てのスマートシティに関与する者は、常にスマートシティサービスの利用者を意識してスマートシティの取り組みを進めること。

2.都市マネジメントの役割

  • スマートシティを構築して、持続的に運営され続けるために、地域全体のマネジメント機能を有すること。
  • 都市マネジメントとは、その地域のスマートシティ構築にかかわる組織やステークホルダーを整理してビジネスモデルを描くためのフレームワークです。

3.都市OSの役割

  • 都市OSを通じてスマートシティサービスを提供することで、データやサービスが自由かつ効率的に連携されること。

4.相互運用の重要性

  • 日本全体で効率よくスマートシティ化を推進するためには、他地域や他システムとの相互運用を効率よく行える必要があること。

リファレンスアーキテクチャを読みデジタル化する都市

スマートシティによる街や都市のデジタル化によって、様々な課題を解決することができます。これまで行政農中で閉じていたデータを公開したり、他の自治体や行政、民間企業とデータを連携することで新しい取り組みができます。

なぜデータ連携が必要であるのか?

日本の多くの地方自治体では、少子高齢化が進み、多くの課題があり、複雑かつ相互に絡み合った課題を持っています。そのような課題を解決していくにあたり、防災・地域経済振興・交通といった分野別に解決を図るのではなく、行政組織や企業の垣根を超えて分野横断的にデータ連携することが重要であります。様々な人のデータや街のデータをつなぐことで、新たな価値・サービスの創出に取り組むことができます。データ連携によるメリットは大きく3つあります。

  1. サービス間の連携
    • 様々な個別サービス間でデータ連携することで、より便利にサービスを利用できるようになります。例えば、病院を予約したら、自動的にデータはタクシー会社にも連携され、診察時間に間に合うように自動的に配車予約ができるというイメージです。
  2. 都市間の連携
    • 他の都市とデータ連携を行うことで、居住地と勤務地が異なる住民に利便性の高いサービスを提供できたり、データ分析を広い範囲のデータで行うことでより良いサービスを新規に構築できたりなどのメリットがあります。
  3. 分野間の連携
    • 分野の垣根を超えてデータを連携することや、自治体・民間のデータの垣根を超えてデータを連携することで、高度な分析ができたり、有益なサービスが構築できたりする可能性が生まれます。

まとめ

スマートシティ構築には戦略立案からルール作成、関係各所との調整、サービス開発、地方自治体や民間事業者、住民との行為形成など様々な要素が関わってきます。そういったときに1つの指針となるものがリファレンスアーキテクチャです。内閣府がまとめているもので、これを指針として日本の自治体がスマートシティを構築していければ統一感のある仕組みになってくるのではないかと思います。

スマートシティリファレンスアーキテクチャ全体像 – 国土交通省

ABOUT ME
市川駿
ITコンサルタント&経営者。アイルランド🇮🇪の国立大学でコンピュータサイエンス&ビジネスを学び、ITコンサルタントとして様々な企業のビジネスをITを用いて加速させることを得意とする。エンジニアとしてバックエンド、フロントエンドの開発も行うことができる。
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