地方創生

地方創生の問題点とは?を解説!

日本では人口減少により地方の経済の落ち込みが続いているため、地方創生が叫ばれています。この記事では国が推進している地方創生においての問題点を解説していきます。

地方創生の問題点とは

地方創生における問題点は様々なものが考えられます。根本的な問題としては人口減少と大都市圏への一極集中が上げられます。東京周辺には多くの人口が集まり、発展し続けているまちもあります。一方で多くの地方都市では、人口減少、高齢化が深刻であり、地元に働き先がなく、大都市圏に移動するという減少が続いています。

これまでの取り組みの成果が出ていない

2014年に国が地方創生に対しる総合戦略を策定して、地方創生先行型交付金として1,700億円を使いました。そして、2015年には地方版総合戦略を策定して地方創生加速化給付金として1,000億円使い、2016年にはローカル・アベノミクスの重点化や地方の自主的な発意への対応として1,900億円が使われてきました。また、交付金や事業費、その他政府の様々なプロジェクトをあわせ、2017年には1兆7536億円、2018年にはおよそ1兆7877億円の予算が付けられてきています。これだけのお金を使ってきているのにも関わらず、地方の創生にはほとんど繋がっていないという大きな問題があります。

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東京への一極集中に歯止めがかかっていない

東京への人口の一極集中は長年大きな問題となっています。世界の多くの国々の首都と比較しても圧倒的に東京は人口が集中しています。2014年に10.9万人だった東京圏への転入超過は2018年に13.6万人になっています。2020年の均衡目標に対してむしろ悪化している状況です。景気回復が続く中で好条件の仕事を求めて東京圏に人が集まる流れは止めることができていない状況です。

地 創 の課題と展望 – 地方創生
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短期視点での政策が多い

国が地方創生を推進するにあたって、バラマキとも思える政策が多くあります。例えば、地方創生交付金はプレミアム付商品券として使われましたが、一回限りの政策であり、自民党の選挙対策のためのものであると解釈ができます。本来の地方創生は地方の生産性の向上そして、国際競争力を強化していくことにより、地方企業が発展してそこに人が集まり、経済が大きくなっていくことが重要であると思います。中央大学経済学部教授の山﨑 朗氏は地方創生の成功には長期的な視点が重要であると述べており、具体的には下記の5つのポイントを上げています。

長期的観点から
①大都市や地方都市にかかわらず,子供 を産み育てやすい地域の創出
②地方のグローバル化の促進(農林水産物や工業製品の輸出,輸入 代替,インバウンドや高度外国人人材の獲得)
③地域の産業集積をもとにしたイノベーションの促 進による知識産業の創出
④空き家,空き店舗,閉鎖工場,耕作放棄地の土地利用転換による魅 力的な地域創生(自然林に戻すことも含めて)
⑤低密度居住地区からの撤退を,着実に実行していくこと(地域構造改革)が求められている

地方創生の政策課題と政策手法 – CORE

日本が地方創生に取り組む背景

日本が地方創生に取り組む背景について解説します。

出生率・出生数の推移

日本における出生率と出生数は1970年代半ばから長期的に減少しています。2021年現在70歳代の第1時ベビーブーム以降に減少が始まり、第2時ベビーブームで少し回復したもののその後は右肩下がりであり、1947年と比べると出生数は半分以下になってきています。また、1975年以降合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が2を下回っており、人口減少に歯止めがかかっていないため、地方創生が叫ばれています。

地方創生をめぐる現状と課題 – 総務省

将来の人口動向

日本の将来の人口動向において、地方都市ではさらに人口減少と高齢化が進む予想となっています。このことにより、東京周辺と地方都市のさらなる格差の原因にもあると考えられています。

地方創生をめぐる現状と課題 – 総務省

東京圏への転入超過

将来の人口動向とともに、東京への転入超過も地方創生を国が急ぐ要因の1つになっています。東京への転入は他の道県とか比べ物にならないほど多くなっています。他の道県では転出が続いていますが、東京だけは転入超過が続いているような状況です。

まとめ

国が大きな予算をとり推進している地方創生ですが、現状大きな支出に対してあまり効果が出ていないというのが事実であると思います。多くの先進国で課題となる少子高齢化に伴う1つの地域への人口集中を緩和して、地方から日本を元気にしていく取り組みですが、大きな成果が出ておらず、お金だけが使われていることが大きな問題でもあります。日本人そして海外からやって来る人々が日本の地方都市に魅力を感じ、そこに住み、経済を作っていくことでしか地方の創生はないと思います。デジタル技術を駆使した街作りとして国が取り組むスーパーシティ構想も1つの解決の手段になるかもしれません。

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【解説】スーパーシティとは?簡単にいうとなに?スーパーシティとは、「AIやビックデータを活用し、社会のあり方を根本から変える未来都市」のことです。 内閣府の解説だと、「地域の「困った」を最新テクノロジーで世界に先駆けて解決する」とあります。日本のスーパーシティを海外に輸出していく狙っていくのではないかとおもわれます。...
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市川駿
ITコンサルタント&経営者。アイルランド🇮🇪の国立大学でコンピュータサイエンス&ビジネスを学び、ITコンサルタントとして様々な企業のビジネスをITを用いて加速させることを得意とする。エンジニアとしてバックエンド、フロントエンドの開発も行うことができる。
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