スーパーシティで重要な役割を持つデータ連携基盤
スーパーシティ構想で実現される自動運転やドローン配達、キャッシュレス、AIを活用医療、教育といった様々なサービスや技術を支える機能の1つにデータ連携基盤があります。最先端技術を使いつつ様々なデータを連携しつつ人々の暮らしを便利にしていこうという目的であるスーパーシティにおいては非常に重要な機能になってきます。今回はスーパーシティ構想におけるデータ連携基盤について解説します。
スーパーシティ構想について詳しく知りたい方は下記を参照してください。
データ連携基盤概要
スーパーシティ構想では都市の中に自動運転やドローン配達、キャッシュレス、AIを活用した医療、教育等様々なIT技術が利用される予定となっています。そしてスーパーシティにおいて最も重要なのが先に上げたIT技術をデータで連携することです。
データ連携基盤によってスムーズになる
データ連携することで、暮らしの中での様々なことがシームレスに繋がることになります。例えば、病院に診察に行く予約をした時を例にしてみます。今までであれば、病院の予約を行い、そこまで行くためのタクシーを予約して、現金やクレジットカードでタスクー代金を支払って、病院では診察券を出して、問診表を記載してという流れになります。スーパーシティ構想にてデータ連携基盤に情報が集められることによって、上記のようなプロセスを人が行わなくても自動でシステムがデータを連携して便利に人々が暮らせるようになります。病院を予約した後にタクシーの配車予約が自動で行われ、自動運転にて病院まで行くことができ、支払いもキャッシュレスで完結して、病院での診察券の提出が不要になり、自動で今までの病歴や服用している薬などが病院の医師に届けられるとような世界が実現していきます。この病院の予約から診察までスムーズに行うための仕組みとしてデータ連携基盤が必要になってきます。
データ連携基盤のメリットは「コスト削減」「時間短縮」
現在、自治体ごとにデータを保持しており、自治体を跨ぐとデータの利用が不可能になります。例えば、コロナのワクチン摂取を受ける際に、現在住んでいる地域ではなく別の地域で受けたいという場合、現自治体と他の自治体でデータを受け渡しできないので、直接連絡したり、書類を記入する必要があります。データ連携基盤ができると、データの共有が楽になるため、自治体間の連携はなくなりますし、自治体ごとにデータ基盤を用意しなくても済むため、コスト削減になります。
データ連携基盤構築のための調査を委託された会社
スーパーシティ構想を推進している内閣府は4社にデータ連携基盤構築の調査を依頼しています。また4社の役割は下記のようになっています。
No | 社名 | 役割 |
---|---|---|
1 | 日本電気株式会社(NEC) | 全体統括、データ仲介(ブローカー)機能の検討、その他データ分散型のデータ連携基盤を運用する上で必要となる事項の検討 |
2 | 株式会社日立製作所 | APIカタログや開発者ポータルサイトの仕様の検討、先端的サービスとデータ連携基盤の接続検証 |
3 | アクセンチュア株式会社 | APIの標準仕様や共通ルールの検討 |
4 | 一般社団法人データ社会推進協議会(DSA) | データモデルの方針の検討 |
データ連携基盤構築の調査業務概要
調査業務では、2020年11月から2021年3月まで、上記の4社がデータ連携基盤の整備に向けて共通のAPI仕様(様々なアプリケーションとデータを繋ぐためのもの)やデータを保存するための仕組みとデータを連携するときの仕組みを検討して、誰もが使いやすいデータ連携の基盤を作るための調査になります。
調査結果はその後にスーパーシティエリアに構築される開発者ポータルサイトやデータ連携基盤に活用されることが期待されています。また、その成功モデルは全国に共有され、相互運用性や相乗効果をもたらすことが期待されています。具体的な調査項目は以下のとおりです。
- データ仲介(ブローカー)機能
- APIの共通ルール
- データモデルの方針
- 先端的サービスを支える先進技術とデータ連携基盤の接続検証
- その他データ分散型のデータ連携基盤を運用する上で必要となる事項
まとめ
スーパーシティ構想において最も重要な機能の1つであるデータ連携基盤は、様々な最先端技術を連携させるためのデータのハブになるものです。現在スーパーシティにおけるデータ連携基盤をどのようにすべきかが検討されています。2021年春以降に現在の調査結果に基づき、実際の設計がスタートしていくと思います。みなさんの個人のデータが格納される場所にもあるため、関心を持って頂けたらと思います。スーパーシティメディアでは随時最新情報をアップデートしていきます。
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