愛知県幸田町(こうたちょう)は中部工業団地をはじめとした多くの工業団地があり、自動車関連産業を中心に製造業が盛んな町です。人口は約4万人程の町です。そんな幸田町のスーパーシティ構想について解説をしていきます。
幸田町のスーパーシティ構想
幸田町のスーパーシティ構想は『The Well City 幸田』と名付けられており、防災をメインテーマとしています。中部地方にある幸田町は南海トラフ巨大地震をはじめとした災害に対応すべく、このようなテーマを設定しています。そして、「幸せの田畑を培い・育むハッピーフィールド/安全・安心な緑住文化都市」を構築するとしています。また防災のみならず、高齢化やコロナへの対応等、様々な課題に吃しても農業や医療、モビリティといった分野でソリューションを提供しつつ、災害時・平常時両方で住民の幸せを実現していくとしています。幸田町では、この災害時・平常時を「デュアル・モード」と呼んでいます。
幸田町が掲げるスーパーシティ構想の3つの基本方針
新たな地方創生のモデルとなる郊外型のスーパーシティ構築を目指しており、その要素として3つのコンセプトを持っています。
- デュアルモードでの防災
- 災害時・平常時の療法を支えるコミュニティの構築、新旧の住民交流
- モビリティブレンド
- 交通弱者の救済、利用者や用途に応じた新たな移動手段の提供
- 農・工・医連携
- スマート農業・遠隔医療、半農半サラ・ワーケーション等、耕作放棄地の活用
幸田町におけるスーパーシティの最先端サービスとして下記のような構想を行っています。
- 名称は「The Well City 幸田」
- 災害時と平常時の「デュアル・モード」で住民の幸せ実現
The Well City 幸田のコンセプトとイメージ
幸田町ではスーパーシティ構想にあたって、コンセプトと街のイメージを作成しています。このコンセプトの中では、8つの要素があります。
- 幸田スーパー・レジリエントパーク(防災公園・防災モール)
- 平常時には住民の健康づくりや買い物、グランピング等ができるような場所として活用して、災害時にはボランティアの宿泊や帰宅困難者の宿泊を可能とする計画。
- 幸田Fail Safeインフラ
- 多重化された強固な社会インフラ・ライフラインの構築を行う。
- 幸田スーパーシティ・エリアマネジメントサービス
- 災害に強い持続可能なまちづくりを目指し、システムやデータを活用していく。
- 幸田レジリエント&カーボンフリー住宅
- エネルギーを自立した形で貯める、使うということを行うことを目指し、太陽光や最適なエネルギーマネジメントにより、エネルギーの地産地消を図る。
- 幸田モビリティサービス
- 幸田町では2017年に全国で初めて行動でのレベル4自動運転実験が行われています。まち丸ごとバリアフリーを掲げて、最先端の都市交通を実現する計画。
- 幸田防災物流サービス
- 交際備蓄倉庫やドローンの発着場を設置する。
- 幸田スマートアグリ
- ITを活用した高付加価値の農業ができる場所を提供するとともに、農業カフェの設置や災害時に備えた食の備蓄を行う。
- 幸田ヘルスケアネットワークサービス
- まちかど保健室の設置や大学病院と連携した迅速的確な医療を提供する。
幸田町のスーパーシティ構想の拡大
幸田町を起点として、中部地方、日本、ひいては世界へ展開していく構想を練っています。
三の丸を司令塔にして、物流の拠点として名古屋空港の隣接地を使い、防災・減災・免災のスーパーシティを構築しようとしています。
- 司令塔:三の丸
- ロジ拠点:名古屋空港隣接地
幸田町スーパーシティ構想関連事業者
関連事業者は、幸田町を筆頭に日本政策投資銀行、NTT docomo、凸版、ヤマト運輸などの大企業。愛知県にあって日本の中でも有名なデンソー、トヨタホームなども参加しています。
幸田町スーパーシティのアーキテクト
幸田町のスーパーシティ構想実現にあたってのアーキテクトについて紹介します。アーキテクトとは?については下記にまとめていますので、是非参考にしてください。
幸田町ではアーキテクト統括、デザインアーキテクト、情報系アーキテクトという3つの種類のアーキテクトを設けています。
近藤 学氏(統括アーキテクト:幸田町スタートアップ研究所所長)
- 幸田町スタートアップ研究所
- 幸田町スタートアップ研究所は、幸田町のさまざまな新しい政策プロジェクトに対し、その手助けを側面的に行うための研究所です。自治体内部組織ではありますが、幸田町での新しいプロジェクトの推進を産官学金連携しながら、研究所としてサポートする自治体シンクタンクの機能を期待し、あらゆる事業に取り組みます。
山下 泰樹氏(デザインアーキテクト:DRAFT Inc.代表)
1981年生まれ、東京都出身。
2008年にDRAFT Inc.を設立。国内におけるオフィスデザインの先駆けとして活動を開始し、プロダクトブランド「201˚」のデザイン、都市開発、環境デザインまで活躍の場を広げている。Best of Year、SBID、INSIDE Awardなど海外のデザイン賞を多数受賞するなど、日本の若手デザイナーとして国際的評価も高い。桑沢デザイン研究所 非常勤講師。
出典:DRAFT
黒木 信彦氏(情報系アーキテクト:中部電力 事業創造本部部長)
1962年生まれ。1985年東京理科大学理学部数学科を卒業。1985年日本アイ・ビー・エム(株) 入社。 IBM社内のシステム開発のSE、新聞社担当SE、PM、アーキテクトを経て、通信事業者向けのSIサービス部隊の責任者に就任。その後、通信事業者、メディア関連事業者、公益事業者、公共機関を担当するITアーキテクト組織の統括部長を約13年間担当し、お客様の課題解決のご支援、先進ソリューションの提案などを推進。 2017年7月中部電力(株)に入社 グループ経営戦略本部 部長を経て、現在 事業創造本部 部長として新規ビジネス開発を担当。 地域課題に着目したデータプラットフォーム事業、情報銀行事業の企画、開発を推進。 2020年2月に日本IT団体連盟の情報銀行p認定を取得した地域型情報銀行MINLYの責任者も務める。
出典:
ものづくり.com
目指すは暮らしのプラットフォーム――「情報銀行」で地域活性化に挑む中部電力
脇野 直樹氏(情報アーキテクト:NTTコミュニケーションズ)
- NTTコミュニケーションズ・ビジネスソリューション本部・西日本営業本部・アーバンプロデュース推進PT PT長
鈴村 崇全氏(情報アーキテクト:トーテックアメニティ)
- トーテックアメニティ・公共医療システム事業部・公共中部営業部 担当部長
愛知県は常滑市でもスーパーシティ構想
愛知県は、幸田町の他にも常滑市でもスーパーシティ構想を推進しています!
参考
情シスフォース