スーパーシティについて

スローシティとは!?【解説】

スローシティという言葉をご存知でしょうか?イタリアなどのヨーロッパを中心に30カ国278都市が加盟している国際的なネットワークです(2021年7月現在)。日本では群馬県前橋市と宮城県気仙沼市が加盟しています。

スローシティ概要

スローシティとは、1999年にイタリアのオルビエート市などが発祥であり、地域の農産物や生活、歴史、文化、自然環境などを大切にした個性や多様性を尊重した新たなまちづくりを目指すものです。

正式名称は「Città Slow(チッタスロー)」ですが、日本では「スローシティ」という用語で呼ばれています。「Città Slow」はイタリア語の「Città」(都市・街)と英語の「slow」(ゆっくりした)という言葉の造語です。スローシティは「スローシティ国際連盟」という機関によって管理運営されています。

スローシティが始まった経緯

現代は早さと競争力のある生産性を追求する時代となっています。そんな中、イタリアのいくつかのまちが近代化や画一性だけでなくそれぞれの街本来の良さや伝統をしっかりと考えて残していくことも大事であるということで、スローフード国際協会とともに「スローシティ」をスタートさせました。そのきっかけは1999年10月15日にイタリア中部の複数の市長とスローフード国際協会の会長ベトリーニ・カルロ氏が、新しいネットワークを作ろうと呼びかけたことでした。それから約20年が経ち、今では世界中へと広がり、30カ国278都市が加盟するネットワークになっています。多くの市町村の目的は行政・市民・スローシティ関係者がつながり、全ての人が健康で幸せな住み良い街を作ることとしています。

「スロー」という言葉は決してネガティブな意味ではなく、ポジティブな意味で使われています。近代化や画一性だけでなく、本来行うべきことをよく考え、十分な時間を書けて最もふさわしいまちづくりを進めるということを意味しています。従来の伝統や風習など未来に残すべきことはしっかりと伝承していくこと、また技術や文化を広めていくことを重視していこうという活動です。

加盟条件

スローシティへの加盟条件は、人口が5万人未満で有機農業や食育を実践しているなど、加盟審査には55の指標があります。5年毎に実態調査が行われます。

日本での加盟都市は?

日本でスローシティに加盟しているのは前橋市と気仙沼市の2つです。前橋市はスーパーシティ構想への立候補を行っている都市でもあります(2021年現在)。

前橋市は元々イタリアのオルビエート市と交流が深く、1997年12月12日から友好都市提携を結んでいます。オルビエート市はスローシティ国際連盟設立の中心的な役割を果たした都市の1つです。またスローシティ国際連盟が本部を置いており、スローライフやスローなまちづくりの首都として、ワインや良質な農産物、豊かな自然の中で人々が暮らしています。そして伝統産業や手工業、歴史的な建物など魅力的な文化が色濃く残っています。前橋市はオルビエート市の精神に賛同して2017年にスローシティ国際連盟への加盟が認められました。

前橋市のスーパーシティ構想については下記をご覧ください。

前橋市スーパーシティ
前橋のスーパーシティ構想を解説群馬県の前橋市は4月16日に政府にスーパーシティ構想の指定を受けるための申請を行いました。群馬県の県庁所在地であり、水と緑と詩の街と言われる前橋市のスーパーシティ構想がどのようなものであるかを解説していきます。...

まとめ

現在世界中で取り組まれているスマートシティやスーパーシティは最先端技術を駆使して人々がより良く、豊かな生活を送れるようにするための構想ですが、今回紹介したようなスローシティのような取り組みもあります。

デジタル化を急ぎ、均一的な世界にするのではなく、その地域ごとの伝統や考え方、文化、食、建物などを残しつつ、より便利に人々が暮らせる世界を目指していくことが最も重要であると思います。前橋市は日本で唯一スーパーシティ構想も掲げつつ、スローシティ国際連盟へも加入している都市です。今後のどのような取り組みが行われるのか楽しみです。

ABOUT ME
市川駿
ITコンサルタント&経営者。アイルランド🇮🇪の国立大学でコンピュータサイエンス&ビジネスを学び、ITコンサルタントとして様々な企業のビジネスをITを用いて加速させることを得意とする。エンジニアとしてバックエンド、フロントエンドの開発も行うことができる。
中小・中堅企業の情シスでお困りではありませんか?

情シスフォース

情シスフォース

公式ページ

関連記事

スーパーシティメディア