長野県にある茅野市(ちのし)のスーパーシティ構想について解説をしていきます。茅野市は、八ヶ岳の豊かな自然に恵まれた高原都市であり、市内には、日本有数の静養地である蓼科高原や、白樺湖、車山高原などのリゾートを有し、約1万戸の別荘が存在していることが特徴的です。 首都圏・中京圏からは鉄道、車ともに約2時間と大都市からほど良い立地を備えていることもあり、夏期には多くの観光客や、別荘利用者の来訪により活気づく地域でもあります。
茅野市は2020年から「若者に選ばれるまち」の実現を地方創生の目標に掲げ、これまでの観光メインの施策に加え、テレワーク環境の整備や働く場所の創出、企業誘致に力を入れ始めています。
茅野市のスーパーシティ構想概要
茅野市のスーパーシティ構想名称
3つの“健康”で再構築する茅野サスティナブルローカルシティ構想
~限られた資源の最適な組合せによる柔軟性と強靭性の発揮・未来型「ゆい」の創造~
茅野市のスーパーシティは「健康」がテーマ
茅野市のスーパーシティ構想のメインテーマは「健康」です。先端技術やデータを活用して市民の健康管理やスムーズな診療体制を確立し、暮らしやすい町を目指すとしています。そしてスーパーシティ構想案のタイトルとしては、「「結」により健康で安心して暮らせるまち茅野」としています。
目指すべき未来像としては、「市の抱える課題を解決し、子どもやお年寄り、別荘地や観光地に訪れる来訪者も含めたすべての「市民」が健康で安心して暮らせるまちの実現を目指」と定めています。
茅野市の課題4つ
茅野市では下記4つを課題として捉えており、これらをスーパーシティ構想の中で解決していこうとしています。
- 人口減少と高齢化
- 別荘の空き家化
- 地元市民、観光客、別荘利用者等の相互交流の不足
- 心不全の原因の一つと言われる高血圧の人の割合が県下で1位
茅野市スーパーシティで提供する課題解決のための事業
上記課題に対する茅野市の解決方法として6つの事業を上げています。
①テレワーク・リゾートテレワーク
茅野市の自然、別荘、施設を生かした施策です。様々な企業を誘致したり、働く場所を拡大する予定です。それにより関係人口(来訪者)の増加につなげようとしています。
②オンデマンド交通・交通最適化(MaaS)
茅野市で現在実証運行中の「乗り合いオンデマンドタクシー」を拡大しようとしています。高齢者が自分で車を運転しなくてもタクシーにより移動できることで、生活の質を改善していく狙いがあります。
③キャッシュレス地域ポイント
キャッシュレスの促進と地域ポイントの導入により地域での消費をより多く行ってもらうための施策です。下記のように茅野市では市民、市内事業者、役所それぞれにメリットがあると整理しています。
④防災・見守りへの通信技術活用
LPWA(Low-Power Wide Area)技術の導入を行い、防災、見守りを行う予定です。LPWAは長距離で安定した通信が行え、低電力消費であり、かつ通信コストが安いという特徴があり、茅野市のような山間部が多い地域では最も適した通信技術であると期待されています。
⑤医療・介護
茅野市では、多様な市民を遠隔で見守り、急変を感知するとともに、早急にケアを行う体制の構築を検討しています。
⑥ALL茅野アプリ・デジタル行政サービス
交流、情報マッチングや茅野市の大切にしている「結」の醸成、各種行政サービスのデジタル化を進める予定となっています。
茅野市 スーパーシティ 事業者は?
茅野市のスーパーシティ関連事業者は、正確にはわかりませんでした。というのも2021年4月1日に茅野市の公式ホームページが刷新され、スーパーシティ構想の関連リンクがすべてなくなってしまったためです。
そのため、事業者側からのPR等からの情報から事業者を探しました。
まとめ
茅野市のメインテーマは「健康」であり、茅野市の地域特性を活かしつつ、若者に選ばれるまち作りをしていく計画です。2021年の4月9日に発表されたスーパーシティ構想の最終案では、「三つの”健康”で再構築する茅野サスティナブルローカルシティ構想」を将来像に掲げ、担い手不足解消へ次世代型地域包括ケアシステム構築などを進める「人間の健康」、災害防止や移動手段確保などを図る「社会インフラの健康」、「データ管理・運用の健康」を図るとしています。
その要素事業として下記を推進していくこととなっています。
- 医療・介護
- 防災・見守りへの通信技術活用
- キャッシュレス・地域ポイントなど交流・支払い
- オン デマンド交通を活用した移動の自由確保
- ウエルネステレワーク
- これらのサービスを使えるアプリの提供
情シスフォース