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スマートシティプラットフォームQlueとは?

qlue

インドネシアでスマートシティプラットフォームを展開するQlueに日本のベンチャーキャピタルから出資を受けたというニュースがありました。そもそもスマートシティプラットフォームとはなにか?Qlueはどんな特徴があるのか解説していきます。

スマートティプラットフォームとは

日本政府が打ち出している「スマートシティプラットフォーム」とは、自治体及び企業・研究機関、関係府省の連携を高めるためのつながりの強化のための基盤と説明されています。

サイバーとフィジカルを高度に融合したSociety 5.0 の実現に向け、AI、IoTなどの新技術やデータを活用したスマートシティをまちづくりの基本コンセプトとして位置付け、スマートシティの取組を官民連携で加速するため、自治体及び企業・研究機関、関係府省等を会員とする「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を発足することとなりました。

企業、大学・研究機関、地方公共団体、関係府省等から構成されるこのプラットフォームを軸に、官民が一体となって全国各地のスマートシティの取組を強力に推進していきます。

出典:スマートシティ官民連携プラットフォーム

世界的な「スマートシティプラットフォーム(Smart City Platform)」の意味は、スマートシティで提供するサービスのために、サービス開発やIoTとの連携、データ連携など包括的に利用できるシステムのことを指します。

例えば、FIWAREという欧州で開発されたスマートシティプラットフォームには、「データ管理機能」「地図の表示」「モニタリング機能」「ダッシュボード機能」などを有しています。

日本では、スマートシティプラットをフォームを「都市OS」なんて言う呼び方をしています。

都市OSとは
スーパーシティを支える都市OSとは都市OSとは、スーパーシティによって実現する物流、医療、福祉、防災など様々な新しいサービスを提供するための基盤です。基盤と言ってもイメージしづらいですが、例えば、iPhoneはiOSというOSで作られており、プログラミング言語でアプリを作られ、Apple Storeで様々なアプリをダウンロードすることができます。また、アプリをダウンロードしなくても誰もが使う、電話やメール、カレンダーといった機能はiPhoneを購入した時点でインストールされています。...

Qlueとは

Qlueは、インドネシアに2016に設立された会社です。ジャカルタ政府と一緒にインドネシアのスマートシティ構想を推進しています。スマートシティ向けだけではなく、企業向けにもサービスを提供しています。

2021年06月のプレスリリースにおいて、日本のグローバル・ブレイン株式会社が運営する「KDDI Open Innovation Fund3号」で出資を受けたことが発表されています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000047342.html

これまでの成果

  • 潜在的な洪水地点を94%削減
  • 政府のパフォーマンスを61.4%改善
  • 政府に対する市民の信頼を47%向上
  • ロンドンで開催されたGlobal Smart City Contestで優勝
  • ドバイで開催されたBest M-Government Service Award(2019年)で受賞

Qlueの持つ機能

Qlue App

QlueAppは、市民がなにか問題があったとき問題カテゴリ、場所、写真/動画を報告することができるアプリケーションです。

例えば、「ごみが不法投棄されていて汚い」などを簡単に行政に報告することができます。報告を受け取った行政は、素早く対応することが可能です。

日本でも「パブレポ」や行政独自に開発したアプリなど様々あります。

こういった市民からの報告アプリが普及すると行政は隅々まで調査員を派遣する必要がなくなります。また、調査員の視点ではなく、地域住民の報告なので緊急性や重要性が高い報告が集まるため優先順位もつけやすくなるのがメリットです。

QlueVison

既存の監視カメラやスマートフォン、Webカメラに録画機能やAIによる人物の顔認識、車両などの乗り物や物体検出機能を付与します。

出典:Qlue Smart City – Security and Safety

インドネシアでは、駐車違反の車を街の監視カメラからリアルタイムに検出し、ナンバープレートの特定することで駐車違反の検挙を行っています。実際に、Alam Suteraというインドネシア最大の不動産ディベロッパーでも駐車違反の検出をしています。また、駐車違反検出の装置にスマートスピーカーを組み込み、ナンバープレートを自動で読み上げることで自動的に通知と追放作業ができています。

他にも人物を認識することで危険な人を事前に検知したりしています。

QlueThermal

COVID-19に対応した自動スキャンによる体温測定、マスク検出端末です。日本でもよく見かけますが、QlueThermalではスナップショットを撮っており、顔認識と組み合わせ、出入り禁止者をリストアップすることがで自動でできます。

QlueWork

QlueWorkは、QlueAppの現場担当者版です。行政の担当者がタスク管理をしたり、課題の報告をすることができます。

QlueDashboard

QlueDashboardは、収集したデータを分析したり、表やグラフにできるダッシュボードです。

まとめ

Qlueは日本で導入されるか

Qlueの機能は魅力的ですが、現段階では普及は難しいと考えています。例えば、QlueVisionによる人物の認識などは住民から、プライバシーや監視社会への不安から非難や猛反発を食らいそうです。

また、前例がないと導入しない文化があるため、難しいと思われます。例えばFIWAREというスマートシティプラットフォームは既にNECが香川県高松市で導入しているため、FIWAREが先に候補に上がると思います。

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スマートシティプラット市場

statistaの予測では2026年の日本でのスマートシティプラットフォーム市場価値は、1,313億円まで伸びるとされています。規模でいうと、レジ袋市場やドローンビジネスと同じくらいの規模です。

出資する価値があるかはわかりませんが、とにかくスマートシティ市場は伸びる領域であるのが間違いないです。

出典:https://www.statista.com/statistics/1026291/japan-smart-city-platform-market-size/#:~:text=Smart%20city%20platform%20market%20size%20in%20Japan%20FY%202019%2D2026&text=The%20smart%20city%20platform%20market,yen%20in%20fiscal%20year%202019.&text=The%20market%20was%20expected%20to,yen%20by%20fiscal%20year%202026.

ABOUT ME
畠山大世
ITコンサルティングとして、基幹システム刷新のPMO、要件定義、設計に従事。システムをより深く知りたくなり、エンジニアに転向。機械学習エンジニアとして、レコメンド、スコア予測、データ分析などを経験。 その後、フリーランスとして独立し機械学習だけではなくアプリエンジニアとしてフロント、サーバ問わず開発。また、PdMやプリセールスなどビジネス面も担当。
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