東広島市のスーパーシティ構想概要
1974年に誕生した比較的新しい都市、東広島市でスーパーシティ構想に挑戦しています。東広島市でのスーパーシティ構想について解説していきます。
東広島市の基本情報
広島県の県庁所在地は、広島市なので一見馴染みはありませんが、広島県の中央に位置する都市です。
- 広島県の中央部に位置する市
- 人口:189,192人(2021年4月時点)
- 外国人市民数は7,870人で、人口の4%程度
- 山陽新幹線の止まる駅
- 広島大学、近畿大学、エリザベト音楽大学 、広島国際大学の4つの大学がある「賀茂(かも)学園都市」
- 1974年に4つの町が合併したことで東広島市となった
- 旧石器時代や縄文時代の遺跡の地域で、住居跡などが出土されている
東広島市は、広島県の他の都市と比較しても歴史が浅いため今回スーパーシティ構想に挑戦することに躊躇がなかったのだと思います。
スーパーシティ構想概要
「やさしい未来都市東広島」の実現を牽引するグローカルな
ピース&サステナブルユニバーシティタウン構想
スーパーシティの名称は、「やさしい未来都市東広島」の実現を牽引するグローカルなピース&サステナブルユニバーシティタウン構想です。とても長い名前です。グローカルという言葉は、2000年代のマクドナルドやケンタッキーといった大手ファーストフードチェーンが世界にどんどんと展開しているときによく聞いた言葉です。
要約すると以下のような構想です。
- 大学をグローバル展開し、海外を含め優秀な人材を集める
- 多様な優秀な人材によって東広島を中心としてイノベーションを起こす
東広島市が取り組み5つのサービス
行政:CRMの整備・行政手続き代行
CRMを整備・充実しておくことで、行政手続きの省力化を図ります。CRMとは、「Customer Relationship Management」ではなく、「Citizen Relationship Management」です。つまり、市民の情報を管理するためのシステムを構築・整備していきます。
例えば、転入・転出の手続きをスマホでやれるようにしたり、簡素化することです。市内に4つの大学があるため、転入や転出が広島県の他の地域より多く解決していこうとしています。
移動・物流:小売のAutono-MaaSサービス
東広島氏は、広島大学周辺をはじめてとして公共交通網が貧弱です。高齢者などは買い物弱者になりやすいため、交通問題と物流問題を解決していく必要があります。
解決策は、「自動運転のシャトルバス」や「貨客混載」によって行います。自動運転のシャトルバスによって公共交通網の強化と貨客混載によって買い物に直接行きたい人と配送を求める人の両方のニーズに対応を考えています。
子育て:予防接種サービス
東広島市は、外国人割合が県内では多くかつ、多言語対応の母子手帳を交付しています。定期予防摂取の予診票を13枚セットなど一括で交付するため紛失リスクがあるため、予防接種を電子化します。
教育:グローカル人材育成サービス
ブロックチェーン技術で学生情報を安全に管理したり、情報を元に学生や企業にとって魅力的なコンテンツを作成する予定です。
スーパーシティ構想の推進体制
アーキテクト
金子理事・副学長と鎌倉市でもアーキテクトを務める南雲氏、中居DXプロデューサーが務めます。
まとめ
東広島市のスーパーシティ構想についてまとめてきました。東広島市のスーパーシティ構想は、正直いうと時代錯誤な印象を受けるのと同時に本当に地域住民のためになるのか不明でした。
例えば、グローカル人材の育成したい東広島市内の外に出て、東京や大阪など大都市での経済や政治の動きを学んだり、海外に行き多言語で多様な国籍の方とコミュニケーションを取り、現地の文化に触れることが重要なはずです。それに対して、東広島市は、ブロックチェーンで学生情報を管理すると記載しています。
無理やり、ブロックチェーンを利用しようと考えた技術先行のサービスで秘匿性を持って管理するにはブロックチェーンである必要はありません。
他にもCRMや予防接種電子化サービスなど重要ではあるものの、やり方が古いと感じます。
課題解決を目的とした技術利用をして欲しいものです。
情シスフォース