フィンランドは、ヨーロッパに位置する国です。フィンランドはMaaS(モビリティ アズ ア サービス)大国と呼ばれ、各国がフィンランドのMaaSを参考にしています。日本でもフィンランドを参考にしています。今回は、フィンランドのMaaS事例を中心にスマートシティについて解明していきます。
フィンランドのスマートシティ
概要
フィンランドは、日本から九州を引いたくらいの面積を誇ります。そのため、日本における東京である首都のヘルシンキを中心にスマートシティ化が進んでいます。ヘルシンキの他にエスポー、ヴァンター、オウル、タンペレといった都市でもスマートシティが進んでいます。
フィンランドのスマートシティから学べる点
フィンランドでは、日本よりも遥かにスマートシティ化が進んでいます。もちろん、日本とフィンランドでは人口が全然違っており、日本の3%ほどしかフィンランドの人口はないため一定進めやすいのかもしれません。しかし、人口の差を引いても学べるポイントがたくさんあるので見ていきます。
スマートシティを推進するプログラム
「Agile piloting programme(アジャイルパイロットプログラム)」を実施しています。アジャイルパイロットプログラムでは、予算8,000ユーロ(約100万円)以内、6ヶ月という短期間で自治体、企業、消費者を巻き込んだ実証実験です。日本でも色々な形で実証実験を行っていますが、期間や予算が不明瞭でゴールもわからないため、いつまでも終わらない、成果につながらないことも多いです。制約とゴールを設定することがプロジェクトの大きなポイントです。6ヶ月で出した成果は、ポケットブックで共有され、次の実験や実際に使われる時に生かされます。
ヘルシンキのスマートシティ
ビジョン
One more hour a day
ヘルシンキでは、「One more hour a day」といったビジョンを掲げ、スマートシティ化によって1日1時間を増やすような生活の効率化、質の向上を目指しています。わかりやすい指標ですね。時間を節約することを指標にすれば、効率化につながらないことは一切やらなくて済むため、良い指針です。
施策と成果
- ヘルシンキの街を3Dモデル化
- スマートモビリティの提供
- 自動運転バス(GACHA)
- 自家用車の削減
- サスティナブルの意識向上
- Think Sustainablyといったサイト構築などで啓蒙
MaaS事例
Whim(ウィム)
Whimは、2016年開始のヘルシンキ発のMaaSです。自家用車以外の交通、例えば、地下鉄、鉄道やタクシー、バス、シェアサイクル、レンタカーを目的地までのルートを検索して月額料金を払えば自由に乗り放題できるサービスです。日本で言えば、Google Mapでの経路検索とSuica等の交通マネーが全てスマホのアプリに凝縮されたようなものです。
日本版Whim
日本でもWhimは展開中で、東京の日本橋、豊洲、千葉県柏市で実証実験がされています。Whimのような日本版Whimが今様々な企業から出されていて、トヨタのMy Routeや大阪メトロのOsaka MaaS社会実験版といったものが出ています。
Kyyti(クーティ)
Kyytiは、MaaSのプラットフォームです。一言でいうと、WhimのようなMaaSを手軽に提供するためのサービスです。Kyytiでは、公共交通機関のチケットをAPIで連携できたり、ユーザーに従量課金や定額料金を提示したり、QRコードの生成、予約といった機能を提供します。
情シスフォース