秋田県仙北市(せんぼくし)は県東部に位置する街であり、日本一の深さを誇る田沢湖が中央に位置するのが有名な街です。観光資源が豊富であり、角館の武家屋敷や秋田駒ヶ岳、八幡平等に囲まれています。乳頭温泉郷があることでも有名です。ふるさと納税で人気の街の1つでもあり、秋田県では最多の14億を集めています。
仙北市は2015年には国家戦略特区の指定を受けており、様々な技術の実証事件を進めてきた街の1つでもあります。そんな仙北市のスーパーシティ構想について解説していきます。
秋田県仙北市のスーパーシティ構想
仙北市のスーパーシティ構想のキャッチコピーは『しあわせな未来のいなか』です。仙北市は少子高齢化、人口減少、基幹産業(農業、林業、観光業等)の衰退が課題となっています。これらの課題へのアプローチの1つとしてデジタル技術を活用してのスーパーシティ実現を進めています。仙北市は今回のスーパーシティの目的を下記のように整理しています。
市民の利便性・安全性向上につながる先端サービスと、地域産業の活性化や地域資源の魅力向上サービスにより、近未来の中山間地域の豊かな暮らしの実現を目指す。
スーパーシティ内閣府公募への応募について
仙北市が取り組む5つのこと
① 健康長生き
個々人の健康診断データを活用し、AIが健康不安を抱える市民を判定し、集中的にサポートするサービスの提供を目指しています。メッセージアプリやオンライン面談等を使用して、重症化する前に市民の健康をサポートし、健康寿命の延伸につなげることを目指しています。
② 稼がる農業
生育データや販路、物流などの情報を共有することによって、経験の浅い農業者でも高収益作物を生産可能にしたり、センサーやドローンを活用して農地の状況を把握できるサービスを展開して負担の少ない農業の実現を目指しています。
③ つながる観光
観光に必要な情報が丸ごと手に入るスマートフォン観光アプリを構築して、店舗予約や交通手段の手配、観光情報の収集、観光施設の混雑状況の可視化を行うなど、新たな旅行スタイルの提供を目指しています。
④ 便利な移動
公共交通や荷物配達を統合したサービスを作ることで、人だけでなく、モノの移動にも活用することを目指しています。また車両の稼働状況を分析・改善することで公共交通の運行範囲や運行ダイヤを維持・充実させ、自家用なしでも市内移動を便利にできる環境構築を進めていく予定となっています。
⑤ どこでも市役所
市役所に行かなくてもぱすこんやスマートフォンを使ってオンラインで公共施設の予約や行政手続きができるサービス提供の実現を目指しています。個人に合わせた行政サービスや防災情報提供についても行う予定です。
仙北市スーパーシティ推進体制
仙北市のスーパーシティ構想推進体制としては、アーキテクトが3名、運営事務局、運営委員会等から構成されます。
アーキテクト
- リードアーキテクト:ソフトバンク株式会社 東北IoT技術部 1課 課長 丸山直樹氏
- アーキテクト(行政):仙北市 地方創生・総合戦略室 統括監 小田野直光氏
- アーキテクト(推進):ソフトバンク株式会社 東北IoT技術部 1課 草野雅子氏
スーパーシティ連携事業者
- 株式会社池田
- 株式会社ウフル
- 株式会社システムフォレスト
- 株式会社 ORANGE kitchen
- 株式会社ストロベリーファーム
- ソフトバンク株式会社
まとめ
秋田県仙北市では豊かな観光資源を活用しつつ、市民が安心して過ごせる街を作っていくために上記5つの領域でデジタル化を推進して行く予定となっています。まだまだ構想の段階であり、実現に向けてはこれから動き始める段階ではありますが、自然の資源を活用しつつ、「しあわせな未来のいなか」を構築することを期待しています。
情シスフォース