事例

消滅可能性都市の『和歌山県すさみ町』スーパーシティへの挑戦!

和歌山県すさみ町は紀伊半島の南部にあり太平洋に面した町です。自然、観光資源が豊富な町で、東京羽田空港からのアクセスも90分と利便性の高い町でもあります。しかし高齢化率47%超など、超高齢化社会となる10年先の日本の姿がある町でもあります。そんなすさみ町のスーパーシティ構想について解説していきます。

和歌山県すさみ町の現状

和歌山県すさみ町は少子高齢化が著しく進み、高齢化率47%超など、超高齢化が進んでいます。人口は毎年100人減少しており、現在は3,800人となっていて、消滅可能性が大きい都市とも言われています。人口減少が原因となり下記のような課題があります。

課題

  • 学校の統廃合や規模縮小
  • 進学や就職を契機とした継続的な若者の流出
  • 地域産業の担い手不足と地域経済のさらなる衰退
  • 交通網の衰退と観光産業の機会損失
  • 南海トラフ地震などの大規模災害への備えの必要性

反対に町の強みとしては下記のようなことが挙げられます。

強み

  • 羽田空港から90分という時間的近接性
  • 吉野熊野国立公園や世界遺産である熊野古道、南紀熊野ジオパークなどの豊富な観光資源
  • ケンケン漁(カツオ漁)、イノブタ(イノシシ×ブタ)、レタス栽培の日本発祥の地といったイノベーション精神溢れる地
  • 東京の約300分の1の人口密度(安全性と豊かさ)
  • ワーケーション先進地としての認知度

すさみ町では最先端技術で弱みとなる地域課題を解決して、強みを最大限に活かすことを進めようとしています。

南紀熊野スーパーシティコンセプト

和歌山県とすさみ町は今回のスーパーシティ構想において、テクノロジー×人×自然×文化「未来観光の町」を作るとしています。町全体が最先端テクノロジーのショーケースとなり、自然や日常をハイテクで体験できるように進めています。具体的には、

  • 最先端技術とすさみにある温かい住民やゆったりとした日常などの生活資源、吉野熊野国立公園や南紀熊野ジオパークなどの自然資源、世界遺産熊野古道などの文化資源を融合させて観光資源化すること
  • 来訪した人に最先端技術のある町で暮らすように過ごしてもらう新しい旅の形の提案
  • 日本中からIT技術者が集まり、最先端の暮らし体験を提供すること
  • すさみ町でのスーパーシティの制度をモデルとして南紀熊野に広げ、全国の地方に展開すること

を目指しています。

最先端テクノロジーの活用方法

すさみ町では、7つの分野で最先端テクノロジーを用いることと規制緩和の提案を行っています。

和歌山県スーパーシティ構想
  1. 観光
    • 「住民顎足枕マッチング」による次世代のおもてなしを提供することにより多くの人にすさみ町を体験してもらう計画です。観光客はどこでもランチや宿泊ができたりタクシーでの住民交流等を行えるようになります。また、顔認証によって顔パス決済、手ぶら観光で3密を避けつつ安心安全な観光ができます。
  2. 移動
    • 自動運転車両の導入、東京などからの飛行機到着に合わせた乗合タクシー送迎を行う予定です。
  3. 物流
    • 山間部や過疎地における最適化された陸と空の物流網としてドローンを活用する予定です。水揚げ直後の鰹をドローン配送したり、お土産をドローンが運ぶことにより手ぶらで観光が可能になったり、処方薬を家の前で受け取れたり等ができるようになります。
  4. 医療
    • 自宅からのオンライン診療やウェアラブル機器の装着により病気の早期発見、自動での救急車駆けつけ等を行えるようにする予定です。
  5. 教育
    • 世界中の教師を活用したオンライン型ICT教育、ワーケーションによる短期滞在者の子供にもICTと自然体験学習を受講できる仕組みづくりを進める予定です。
  6. 防災
    • 南海トラフ地震等に備えた最先端技術による災害対策バージョンアップするとしています。スマホアプリや街頭カメラ、ドローンなどんお情報から被害情報や避難者の位置等を収集分析して、迅速な災害対応を行えるようにしています。また孤立集落には必要な支援物資をドローンで搬送することや顔認証カメラにより避難者情報を自動作成する等を計画しています。
  7. 低炭素
    • 水素・バイオマス等のクリーンエネルギー活用によるゼロ・カーボン推進を行う予定です。ドローンや水素自動車を多く導入することで町全体でクリーンエネルギーを活用してCO2排出量削減に取り組む予定です。

すさみ町のアーキテクト

スーパーシティ構想の実現のためにはアーキテクトの任命が必要になります。アーキテクトとは?については下記をご覧ください。

スーパーシティアーキテクトとは
【スーパーシティ用語解説】アーキテクトとは?スーパーシティの中核を担う人材「アーキテクト」について解説していきます。...

岡田 信一郎氏(南紀白浜エアポート 代表取締役社長)

京都大学大学院工学修士(交通土木工学)、コロンビアビジネススクールMBA。
日本道路公団、米国三菱信託銀行、アクセンチュア、マッコーリーキャピタル証券、経営共創基盤にて、企業の経営戦略策定や新規事業開発、インフラ事業への投資・経営に従事。新関西国際空港では執行役員コンセッション推進部長として「関空伊丹コンセッション」を推進。 南紀白浜エアポートでは「空港型地方創生」のコンセプトを掲げ、地域の活性化と空港事業の再生に携わる。

まとめ

すさみ町は消滅可能性が非常に大きい町として危機感を持ち様々な施策を実施している都市です。スーパーシティ構想においても町のサイズとしては非常に小さいですが、持っている豊かな観光資源、自然資源を活かしていこうとする姿勢が伺えます。

ただ、和歌山県とすさみ町のスーパーシティ構想のアイディアはドローンによる配送や自動運転等、あまり目新しいものがなく、スケールの小ささを感じるのも事実であります。国のスーパーシティ指定を受けなくても少しつづ実証実験を始められる程度の施策になっているため、より大規模で抜本的に住民の生活を変え、より多くの人に魅力ある町とすることが求められるのではないかと思います。魅力のある街にできれば観光客のみならず、そこに定住を希望する人も増えて行くはずです。

今後の和歌山県とすさみ町の取り組みに期待しています。

参考:
和歌山県スーパーシティ構想
すさみ町スーパーシティ構想

ABOUT ME
市川駿
ITコンサルタント&経営者。アイルランド🇮🇪の国立大学でコンピュータサイエンス&ビジネスを学び、ITコンサルタントとして様々な企業のビジネスをITを用いて加速させることを得意とする。エンジニアとしてバックエンド、フロントエンドの開発も行うことができる。
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