鎌倉市といえば、源頼朝が幕府を立てたことで有名です。湘南や葉山など別荘地としても人気の地域です。しかし、地域は年々高齢化が進んでいます。今回スーパーシティに挑戦する鎌倉市について解説していきます。
鎌倉市はこれまでもスマートシティ化を進めてきた
鎌倉市では元々、スマートシティ化を推進しています。
本市では、人にやさしいテクノロジーの活用によって本市が抱える社会課題を解決し、「誰もが生涯にわたって、自分らしく安心して暮らせる共生社会」を築いていくことを目指す鎌倉版「スマートシティ」の構築に向けた取組を、令和2年度からスタートした第4期基本計画に位置づけ、この取組を開始しました。
出典:鎌倉市
鎌倉市のスーパーシティ構想とは
鎌倉市では元々、スマートシティ化を目指していたため、スーパーシティへの取り組みに挑戦しています。スマートシティにおいて、交通と医療、観光と防災など複数分野にまたがるサービスを実現したときにデータの共有や連携で課題になっていました。
これまでの法規制の中では自由にデータを使えないため、サービス展開できないということが発生していました。スーパーシティでは、データの取り扱いや自動運転、ドローンの利用緩和が受けられるため、サービスの拡充にしやすい環境ができます。それが今回スーパーシティに挑戦する背景です。
スーパーシティ構想の対象地域
対象地域は、大船地区と鎌倉地区、そして深沢地区です。
大船地区は、大船駅を中心として鎌倉市に居住する人にとって大事な駅となっています。鎌倉地区は、鶴岡八幡宮を中心として、お店が並ぶ観光地域です。深沢地区は、どちらかというと駅から離れ、居住エリアとなっています。モノレールと車が交通手段で、田んぼや農地も見られる地域です。
グリーンフィールド型を採用
鎌倉市はグリーンフィールド型を採用します。グリーンフィールド型は、全国でも珍しいので注目です。
鎌倉市のスーパーシティ構想で実現するサービス
交通・観光
鎌倉市は、交通と観光に課題を抱えています。神奈川県でも有数の観光地である鎌倉市は度々交通問題でもめています。というのも観光地として人がたくさん入ってくる一方、鎌倉市は道路が狭く、山が多いなどなにかと交通の便が悪い地域です。また、観光地に車で来る観光客によって地域住民は移動が困難になっています。
解決策はロードプラシイングです。高速道路のように課金しないと交通できないようにするという仕組みです。高速道路にあるような精算機というよりは、オービスのような形で徴収するような形を考えています。
鎌倉市のアーキテクトは誰?
スーパーシティへの応募は、アーキテクトの選定が不可欠です。
隈研吾氏(建築家 鎌倉市都市政策専門員)
株式会社隈研吾建築都市設計事務所主宰する建築家です。日本の建築家、デザイナー。株式会社隈研吾建築都市設計事務所主宰。東京大学特別教授。高知県立林業大学校 校長。岐阜県立森林文化アカデミー特別招聘教授。
出典:Wikipedia
南雲岳彦氏(一般社団法人スマートシティ・インスティテュート理事)
南雲氏は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の専務執行役員をされています。一般社団法人スマートシティ・インスティテュートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社と株式会社日本経済新聞社は、日本のスマートシティの 拡大と高度化に貢献することを目的とした組織です。
加治慶光氏(鎌倉市スマートシティ推進参与)
富士銀行、東急エージェンシー・インターナショナル、レオ・バーネット協同を経て、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院にてMBA修了。日本コカ・コーラ勤務の後、タイム・ワーナーで映画宣伝部長、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントで、バイス・プレジデントマーケティング統括などを歴任。日産自動車にて高級車担当マーケティング・ダイレクターを務める。内閣官房官邸国際広報室参事官を経て、現職。文部科学省参与も務めている。
他の市でも同じですが、基本的に建築家やIT人材、コンサルティング人材が選ばれる傾向にあります。
鎌倉市のスーパーシティ関連の連携事業社は?
株式会社リーバ:医師へのチャット相談
医師へのチャット相談が手軽にできる株式会社リーバが連携事業社です。鎌倉市以外にも埼玉県前橋市や長野県松本市、山口県山口市なども連携事業社です。
医師不足の課題はどこの地域でも同じです。遠隔でのチャット相談の需要はかなり大きいです。しかし、一定の法規制などあったり、医師を抱えているリーバと提携することが重要になります。
市単体だとどうしても医師の確保に限界があります。特に市外への医師への連携は難しいです。市外を含め他日本全国への医師への相談を可能にするのがリーバという会社です。
Syno Japan株式会社:北欧発ITスタートアップ
Syno Japan株式会社は北欧で生まれたスタートアップの日本法人です。Synoでは、顧客の声(VoC)に特化したソリューションを作っています。今後、スーパーシティが進む事によって住民から様々な意見を収集し、改善していくために採択されたと思われます。
まとめ
- 鎌倉市はこれまでもスマートシティ構想を進めてきた
- 規制緩和を受け、サービス向上、拡充を目指すためにスーパーシティ構想へ挑戦
まだ、どこがスーパーシティとして採択されるかわかりませんが、鎌倉市は期待しても良いと思います。
情シスフォース