福岡市は高島宗一郎市長が2019年4月の市長会見でスーパーシティ構想に意欲を見せていました。しかし2021年の4月16日締切であったスーパーシティ候補地の公募には応募をせず、見送りとしました。ただし、秋以降の2回目の公募への意欲はあるようです。今回は福岡市のスーパーシティ構想について解説していきます。
福岡市のスーパーシティ構想
福岡市のスーパーシティ構想については2021年4月の応募を見送っていることからもわかるように、詳細な構想は発表されていないのが現状です。ただ、大枠の構想はあります。それは、九州大学の箱崎キャンパス跡地に「グリーンフィールド型」のスーパーシティを作るというものです。箱崎キャンパスは天神から北東へ約4.5㎞の距離で、4㎞圏内に博多駅や福岡空港、博多港がある好立地にあります。「グリーンフィールド型」についての解説は下記をご覧ください。
福岡市はこの九州大学の箱崎キャンパス跡地が白いキャンバスに絵を描ける場所として目を付けています。この地でエネルギー、セキュリティ等の様々なインフラを一から検討して作っていく大きなチャンスのある場所であると捉えているようです。大きな都市の中心部で更地ができると、民間に売却して大きなマンションになったり、大型ショッピングセンターができることが多いですが、福岡市の高島宗一郎市長はそれではもったいないと発言しています。箱崎キャンパスは既に建物の取り壊しが終わっており、このような大規模な更地が都市の中心にできることは珍しいので、是非ともこの機会を有効に活用してスーパーシティを作り上げて欲しいと思います。
参考:最先端技術による“まるごと未来都市” 内閣府の「スーパーシティ」構想とは(後)
福岡市はスマートシティ計画が進んでいる
FUKUOKA Smart EASTとは
福岡市では2016年秋に、アジアのリーダー都市を体現する新たなまちづくりのチャレンジとして新プロジェクト「FUKUOKA Smart EAST」を発表しています。福岡市は国家戦略特区として指定がされていて、「グローバル創業・雇用創出特区」として、創業の支援と雇用の創出に取り組んでいます。国家戦略特区とは日本の経済活性化のために、地域限定で規制や制度を改革し、その効果を検証するために指定される特別な区域のことです。このような特区は福岡市を含め当初6地域が指定され現在では10の地域が指定されています。
スーパーシティ構想よりも前に福岡ではこのようにスマートシティの計画が進んでいたという背景があります。FUKUOKA Smart EASTとは、箱崎キャンパスの跡地を活用し、官民学が提携して建設していくスマートシティ計画のことを指しています。FUKUOKA Smart EASTでは、スタートアップの企業と実証実験が盛んに行われていたり、福岡市の特区を利用したスタートアップへの税金の優遇なども行われており、非常に活気づいている場所であります。FUKUOKA Smart EASTも今後建設が進んでいくプロジェクトではあるものの、自動運転の実証実験が行われていたりと非常に楽しみな都市計画の1つであります。
FUKUOKA Smart EASTでの課題に対する取り組み
課題
- 突然の停電
- 突発のけが・急病
- 多発する交通渋滞
- 道に迷った認知症の高齢者
- 不便なショッピング
取り組み
- 自家用車を共有する時代に
- 自動運転車で効率的な移動
- 気軽にエクササイズ
- 見守りシステムで安心
- 様々な場所がオフィスに
- スムーズなショッピング
- AI家電で便利に
- 災害時は安心スペースに
- ドローンが荷物をお届け
- 水素エネルギーの活用
福岡市は今後スーパーシティ構想に挑戦するのか?
福岡市は以前から国家戦略特区に指定され、箱崎キャンパスの跡地で様々な計画が進んでいたことにより、今回のスーパーシティ構想には応募しかなったのではないかと思われますが、スーパーシティ構想に指定されることにより複数領域で一気に規制緩和が行われるため、FUKUOKA Smart EASTプロジェクトにおいても恩恵を受けられるのではないかと思います。福岡市は今後秋以降のスーパーシティ公募は再度検討を行うとしているため、今後の動向に注目です。
福岡県では北九州市がスーパーシティ構想に挑戦
その他のスーパーシティ候補地一覧は下記をご覧ください。
福岡市のスーパーシティ構想の参考サイト
情シスフォース