事例

長野県松本市が提出したスーパーシティ構想とは

松本市スーパーシティ

長野県松本市は4月16日に国が公募するスーパーシティ構想に応募したと発表しました。松本市と言えば、非常に立派なお城である松本城や自然豊かな上高地等が有名なところです。そんな松本市は今回スーパーシティ特区への申請を行い、特に「個人の健康情報の電子データ化」と「地場産の再生可能エネルギーの活用」の2分野で特区指定を目指すとしています。

松本市のスーパーシティ構想概要

松本市では、人口が減少し、少子高齢化が一層進むこれからの社会においても持続可能な都市であるために、デジタル技術を活用して、行政と社会のデジタル化を目指し、誰もが豊かさを実感できる「自律分散型社会」を構築して行くこととしています。松本市では、目指すスーパーシティ構想の位置付けを下記のように表現しています。

デジタル化が遅れている松本市の現状を認識し(みとめる)、
地域の課題とあらためて向き合い(まなぶ)、
これまでの取組みをもとに未来を描き(いかす)、
より良い社会を未来へ贈るため(つなぐ)、
DXによって、豊かさと幸せを実感できるまちに挑戦します(いどむ)。

(仮称)DXで目指す松本のまち(PDF:750KB)

松本市は山岳部と市街地により構成されています。左右を大きな山に囲まれ自然資源が多い街であるとともに、人口減少や空き店舗等が顕在化しているという課題があります。

松本市の取り組む5つの領域

松本市が2030年に向けて取り組み領域として5つの領域を上げています。松本市ではデジタル技術を活用してより良い街を目指すとしており、この5つの領域のうち、規制緩和が必要な2つの領域でスーパーシティ構想の活用を目指しています。

(仮称)DXで目指す松本のまち(PDF:750KB)

スーパーシティ構想を活用して取組領域

松本版PHRでつなぐ次世代の医療・福祉・健康づくりへの挑戦

PHRとは、Personal Health Recordの頭文字をとった略語で、個人の健康・医療・介護に関する情報のことを指しています。松本市では住民の健康状態などに応じて必要なサービス受けることができる仕組みづくりを進めていこうとしています。松本市への事業協力会社として遠隔医療相談アプリ「リーバー」を提供する株式会社リーバーが名を連ねています。
参考:松本市がスーパーシティ構想の連携事業者に株式会社リーバーを採択

オンラインやAIと活用したヘルスケアサービスや健康維持・増進する活動をすると特典が得られるような仕組みを導入する予定です。病院から遠い地域での医療MaaS(移動型の病院)による診療や山岳エリア向けにオンラインでの診療を実施する予定です。

PHRや様々な診療データを連携、活用することにより、複数の医療機関や薬局、介護施設が本人の意思に沿った形で情報共有されることで、地域の中で皆が支え合い誰も取り残さない安心した地域を目指しています。

一連の構想にあたっては医療法や医師法など25程度の規制緩和を内閣府に求めています。松本市は多量な情報のプラットホームとなるデータ連携基盤の保守費として年数千万円を負担する見込みであるとしています。

100%カーボンニュートラルへの挑戦

松本市は必要なものを地域で生み出す、災害時に強いエネルギー自立分散型の街を目指しています。この領域でもスーパーシティ特区の利用を検討しています。自然豊かな松本市らしく、山に蓄えられている小水力・木質バイオマス・地熱や、まちに存在する太陽光・地中熱・ごみ発電などの再生可能エネルギーを積極的に導入して、再生エネルギーによる電力自給を行い、100%カーボンニュートラルの実現を目指しています。また、スマートグリッドを実現して、大規模停電に左右されない街作りを行う予定となっています。

松本市の豊かな自然を後世に残していくために100%カーボンニュートラルを達成して気候変動問題への取り組みを強化しつつ、エネルギーリスクの少ない安心安全な街作りを行っていくようです。

その他の取組領域

世界水準の城下町まつもと・アルプス山岳リゾートへの挑戦

松本市は国宝である松本城と旧開智学校舎を有しており、それに加え上高地や北アルプスがあり、歴史的背景並びに自然資源が豊富であるため、それらを利用して多くの観光客に満足してもらえるよう世界水準の観光リゾートを目指しています。この領域では特にデジタル技術を活用した移動手段の提供や現金を持たなくても観光や滞在ができるようにする決済分野でのデジタル化を検討しています。

楽しく稼ぐクリエイティブシティへの挑戦

松本市民間事業者の新しいビジネスモデルへの挑戦を支援する予定です。松本市は芸術や工芸の人材が集積している地でもあります。それらとデジタル技術を組み合わせて新しい事業を生み出したり、既存の産業のスマート化を支援する予定です。

可能性を広げる新たな学びへの挑戦

松本市では子供の教育にもデジタル技術を活用して多彩な子どもの成長を促す予定です。集団での教育に加え、個別最適化された教育コンテンツをデジタルで行い、様々な学習機会を提供していく予定です。

今後について

松本市は4月16日にスーパーシティ構想の候補地への立候補を正式に行いました。今後は国の審査があり、全国の地方自治体のうち5地域ほどが6月〜7月に選ばれる予定です。その後に令和4年度(2022年度)に住民合意の手続きを行い、スーパーシティの実現を進めていく予定です。松本市では臥雲(がうん)市長と宮之本伸副市長のもと、プロジェクトチームを立ち上げており、協力なリーダーシップでデジタル化への構想を進めています。今後のデジタル化実現が楽しみです。

長野県の他都市のスーパーシティ構想

茅野市スーパーシティ
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スーパーシティ候補地
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参考サイト
松本市スーパーシティ応募 デジタル技術駆使
松本市スーパーシティ構想の連携事業者について
松本市の「スーパーシティ構想」について

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市川駿
ITコンサルタント&経営者。アイルランド🇮🇪の国立大学でコンピュータサイエンス&ビジネスを学び、ITコンサルタントとして様々な企業のビジネスをITを用いて加速させることを得意とする。エンジニアとしてバックエンド、フロントエンドの開発も行うことができる。
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